MIGの窓

マスコミや会報などに取り上げられた情報、や 会の近況や会員の想いなどをお伝えします。

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設立記念コンサート&交流会を開催しました。

NPO設立を記念するとともに、会の活動理解と会員相互の交流を目的に、コンサート及び交流会を開催しましたのでご報告いたします。

    日  時  2017年10月15日(日)14:00~18:00

    会  場    前橋市中央公民館

1.コンサート  参加者 77名  (会員28名、家族・友人等23名、その他26名)

   第1部  ウクライナ民謡ほか            バンドゥーラと歌 カテリーナ

   第2部   インドネシアの踊りと演奏    横笛 國崎理嘉   舞踊 フェニー  

        日本の歌合唱           ピアノ  朝倉恵   フルート 朝倉力

                            チェロ  原優香    笛   國崎理嘉 

2.交 流 会   参加者 約40名

 

あいにくの雨にもかかわらず、当日券を求めるなど予想を上回る方々に参加いただきました。

 

1.コンサート

第1部は、東京で活躍しているウクライナ出身のカテリーナさんをお招きして、ウクライナの哀調のある民族楽器バンドゥーラの音色と心に響く歌声に酔いしれました。

ウクライナの民族楽器バンドゥーラを演奏するカテリーナさん

 

引き続き第2部は、当会会員の國崎さんらのインドネシアのゆったりとした音楽と踊り、そして会場の皆様との日本の唱歌の合唱など、素晴らしい演奏会になりました。

國崎理嘉さんによる笛の演奏

フェニーさんによるインドネシア舞踊

日本の歌を全員で合唱

 

2.交 流 会

場所を移した交流会にも多数の皆様に出席いただき、にぎやかに過ごすことができました。  

     感謝、感謝!!

 

                 

 

 

 

 

 

 

   

  

2017年11月5日

上毛新聞「視点オピニオン21」第7回

上毛新聞掲載 2017.9.26上毛新聞「視点オピニオン21」第7回

医療通訳の道へ 壁のない社会目指して

                  群馬の医療と言語・文化を考える会副代表 原美雪

 医療通訳普及の活動を始めて6年近い時間が流れました。この世界に足を踏み入れた大きなきっかけがあります。それは6年前の東日本大震災です。

地震発生後まもなく東京外国語大学多言語・多文化教育研究センターから一斉に卒業生の語学ボランティアのリンクに翻訳ボランティアを求める声掛けが行われました。被災地の国際交流協会が外国人居住者に震災情報を提供するためでした。

大学卒業後さび付いていた頭と、しまい込んでいた辞書を引っ張り出し、次から次に送られてくる震災情報、水道・ガス・電気、交通機関、避難所、医療機関、罹災(りさい)証明など必要とされるさまざまな翻訳と格闘しました。メール上でつながった国内外の卒業生や留学生がおのおの連絡を取り合いながら、計画停電や仕事の合間を縫って翻訳作業に取り組みました。

原子力発電所情報の翻訳や入国管理局からの依頼も入りました。事務局の皆さんのご苦労は大変なものであったはずです。多言語のボランティアがメール上でやりとりをする様子を見ながら、皆さんの力といざというときに結束できる強さに感動しました。

地域で日本語を母語としない方が言葉で困っている現状は災害時に一度に表面化します。その対応の可否は、平時の体制整備と日頃からの連携づくりなしにはあり得ません。外国人対応を特定の機関だけに任せる組織の縦割りのままでは機能しません。全ての機関、担当課が常に外国人対応をも心がけ、できることは何かを考える余裕が必要です。組織から個人、個人から組織という柔軟な双方向のやりとりが普段からできていることが大切でしょう。

私たちの会が医療通訳普及・通訳者派遣団体として多くの関係者と現在活動ができるのは、まさしく組織を超えた意識でつながってくださった皆さまのおかげでした。何の形もない活動の当初より支援をくださったD自動車ディーラー前社長の山崎様はじめ皆さま、前橋市市民活動支援センターや群馬県共同募金会、前橋市文化国際課など群馬県内で相談にのってくださった皆さま、全国で医療通訳普及をリードし、わずかの交通費で講習会やシンポジウムに駆けつけてくださった皆さまのお力なしには、到底ここまで来ることはできませんでした。心からのお礼を申し上げます。

皆さまからいただいたご厚意を大切に「言葉や文化の壁のない世界」を目指し、一人一人が元気に互いの力を発揮しあえることから生まれる大きな力を信じてこれからも活動を続けます。紆余(うよ)曲折の中で支えて下さった皆さんとの出会いが私にはかけがえのない宝です。活動の中で皆さんが幸せを感じていただけるよう、その活動から幸せになれる方が一人でも増えるようにと願っています。

2017年10月12日

上毛新聞「視点オピニオン21」第6回

2017.8.6上毛新聞「視点オピニオン21」第6回

医療通訳制度の課題 費用負担支え合いを

群馬の医療と言語・文化を考える会副代表 原美雪

 普段、外国の方と接点のない皆さまには医療通訳の世界は遠いものかもしれません。「もし私が外国でけがをして病院に担ぎ込まれたら…」。そう考えることですべての方が当事者になることができます。会が目指すのは医療通訳制度の普及にありますが、その先に見えるものは「困った時にはお互いさま」と言える、支え合える社会の実現です。

群馬県では、医療通訳ボランティア制度は10年を超える実績があり、100人以上の通訳者が登録されています。また地域の中で、個人的に医療通訳者として活動している方も多くいると聞いています。しかし、日本語を母語としない方々にとっては、まだまだ気軽に通訳を利用できる環境にはありません。「お互いさま」と言える社会にするためにはどういう通訳制度が必要なのでしょうか。

私たちが通訳制度の運営で直面している問題の一つは通訳費用です。現在、会が派遣している1回の通訳費用は3000円です。そのうち1000円は会が助成金などを活用して負担し、残りの2000円はほとんど患者さん負担です。ボランティアといっても、医療通訳者は命に直結した仕事であり、相当の語学力に加え医学知識も習得していなければなりません。しかし、どんなに経験を積み、勉強をしている通訳者でも、1回3000円の通訳収入では生活していけません。生活のため他の仕事につかざるを得ず、そうなると平日依頼のある医療通訳の活動は不可能です。こうした理由で医療通訳の世界から離れていってしまいます。

医療通訳はボランティアではいけない、しかし、交通費程度しか支払えない現実にいつも思い悩んでいます。

一方、経済的な理由で通訳をつけられない患者さんもいます。慢性疾患や難病など継続して診療を受ける方、妊婦健診、乳幼児健診、講習会参加など、1回2000円の負担が重荷になります。

通訳がいなければ、診療の内容を理解できません。それは、医療の倫理、患者の権利を日本語を理解しない人に保障しないことになると言っても過言ではありません。通訳費用を患者だけが負担するには無理があります。ぜひとも、社会による救済措置を検討してほしいと思います。

医療機関にもお願いしたいことがあります。①積極的に医療通訳を使っていただく②通訳者への的確な評価や研修を通して通訳者を育てていただく③資金面でも協力していただく―これらのことをぜひとも検討していただき、制度の円滑かつ継続的な運営に力を貸していただきたいと思います。そして、医療機関など直接の関係者だけでなく、「支え合う社会」のためにはいろいろな方々の力が結集されてはじめて、理想とする環境が整うのだと思います。


群馬の医療と言語・文化を考える会副代表 原美雪 前橋市三俣町

【略歴】東京都出身。東京外語大卒。外務省で在インドネシア大使館などに勤務。2013年に群馬の医療と言語・文化を考える会を立ち上げ、医療通訳の普及に尽力。

2017/08/06掲載

2017年8月11日

上毛新聞「視点オピニオン21」第5回

 2017.6.13上毛新聞「視点オピニオン21」第5回

医療通訳者の派遣 「患者第一」最善尽くす

                群馬の医療と言語・文化を考える会副代表 原美雪

 今回は、当会の医療通訳者派遣サービスの運営の様子を皆さまにご紹介します。

昨年度、当会は医療通訳者の派遣を行い、180件の実績を上げたことは前回報告いたしました。本年4月からは、これまで群馬県が行っていた医療通訳ボランティア派遣のコーディネート業務をも請け負うことになりました。通訳者を派遣する場合は、医療機関や患者さんからの依頼を受けて、通訳できる人を探します。ほとんどの通訳者は仕事をもち、平日の昼間に自由に活動できる人を探すのは容易ではありません。現在100人を超える通訳者の登録がありますが、中国語、スペイン語、ポルトガル語という需要の多い言語はもちろん、ネパール語、ベトナム語などの希少言語の依頼も対応できる通訳者は少なく、中には全く対応できない言語の依頼もあります。

当会は、私を含め2人でこのコーディネートを行っています。今日、明日にも必要という依頼がある中、通訳者の仕事や家庭環境を理解し、希望も聞きながら病院からの依頼日時などの調整を行います。通訳者がいなければ診療は成り立ちません。依頼にはできるだけこたえるという方針で通訳者が見つからない場合には、電話をかけまくり、何時間もの時間を費やすこともあります。その間にも他の依頼、通訳者・医療機関からの報告、交通渋滞や家族の事情などで急に対応できなくなった通訳者からの連絡に対応し、新たに調整をし直す作業なども入ります。コーディネーター業務なしには派遣制度は成り立ちません。通訳者の事情、医療機関の環境、患者さんの病状や生活保護など社会的課題等全てを理解して流れを把握し、起こりうる状況を想定することが必要です。

その中で、常に忘れてはならないことがあります。それは、一番大変なのは病気やけがを抱える患者さんであり、その不安を取り除くために配慮すること、患者さんのために働く医療従事者の皆さんの頑張りを応援する気持ちを持つこと、そのみなさんのために尽くす通訳者にとって最善の環境をつくることです。

病院からの評価や通訳者からの報告をもとに、よりよい制度や環境をつくるため検討を重ねることも私たちコーディネーターの大切な仕事です。乳幼児健診など子どものために欠かせない診療と治療が続き通訳費用が払えず通訳を派遣できなかったケースがありました。利用回数が多い難病や慢性疾患の患者さんに負担が多くなることも胸が痛みます。結核の治療には投薬説明など十分な理解を得る必要がありますが、通訳費用について方針は決められていません。

課題をどのように解決に結び付けるのか、今後予定されている関係者が集まる検討会議で十分な議論が行われるよう、準備したいと思います。


群馬の医療と言語・文化を考える会副代表 原美雪 前橋市三俣町

【略歴】東京都出身。東京外語大卒。外務省で在インドネシア大使館などに勤務。2013年に群馬の医療と言語・文化を考える会を立ち上げ、医療通訳の普及に尽力。

2017/06/13掲載

2017年7月7日

上毛新聞「視点オピニオン21」第4回

 2017.4.23上毛新聞「視点オピニオン21」第4回

医療通訳の普及 利用しやすい体制急務

                 群馬の医療と言語・文化を考える会副代表 原美雪

 前回「動脈」は英語で何と言いますかとお尋ねしました。当然のことですが医学用語は学ばなければ身につきません。コミュニティーで活動する場合にも、医療通訳者は命や健康にかかわる医療の場で、時には仕事を休んでも対応するという活動の重みを感じています。日頃から医学や言語に加えて医療通訳者の倫理や適切な対応を学ぶ必要もあり、専門職としての覚悟が必要です。診療の場を混乱させることなく臨機応変に文化や言語の橋渡しをするため、経験や研修も大切です。

しかしながら、社会的認知度はまだ低く、医療通訳を業とする方とは比較にならない待遇で活動をしています。

当会は、群馬県共同募金会、中央ろうきんから助成金をいただき①医療通訳制度普及のためのシンポジウムや多職種連携講習会の開催②専門職としての医療通訳者が群馬県で育つことを目指したコミュニティー通訳者養成講習会開催③言語グループの学習体制整備支援―をしています。

さらに、昨年度は患者や医療機関の皆さんが医療通訳を利用しやすい環境をつくるため、医療通訳者の試用無料派遣を行いました。医療通訳者が社会で必要とされる件数やその現状を把握するためでした。昨年4月から本年2月までに180件の依頼を受けました。高崎、太田、前橋、伊勢崎、藤岡、桐生、足利などの医療機関において、中国語、スペイン語、ポルトガル語、英語、タガログ語、ネパール語、インドネシア語、フランス語、ロシア語など多様な言語で対応しました。

診療科は整形外科、産婦人科、内科、眼科、歯科、精神科など多岐にわたり、手術や入院になった方もいました。

派遣を通して①病院をいくつも回り、ようやく診断・治療につながったケース②難病や悪性腫瘍の患者など今後通訳費用の負担軽減が検討される必要があると思われたケース③一日がかりや夜間から夜中にわたるケース―など患者にも通訳者にも相当かつ適切な配慮が必要とされる現場を確認することができました。

外国の方の命や健康にかかわるコミュニティーの医療通訳の普及には、保険など解決すべき課題があります。社会の制度として県や市町村など行政、病院・診療所、国際交流協会、外国人支援団体、企業、市民が協力して体制を作る必要があります。関係方面が同じ机に座り、多角的に協議をすることが不可欠です。

厚労省や観光庁、経産省が進める病院の外国人受け入れ体制整備事業を地域につなげることも可能でしょう。

日本の人口減を背景に、外国人労働者の受け入れが進む中、現状や今後の推移も見極めながら、教育・医療等福祉予算と税収、医療通訳利用と医療経済など問題の本質を見極めながら、今地域で何をするべきかという議論が必要だと思います。


群馬の医療と言語・文化を考える会副代表 原美雪 前橋市三俣町

【略歴】東京都出身。東京外語大卒。外務省で在インドネシア大使館などに勤務。2013年に群馬の医療と言語・文化を考える会を立ち上げ、医療通訳の普及に尽力。

2017/04/23掲載

2017年7月7日